研究室について(その2)

以下、うだうだの文章ですが、3年の任期の間に、以下のことを達成することを目標にしています。

 

1.日本の防災について、内容面では(英語の正確性は許して下さい)、国内でone of the bestの講義「Disaster Management」を提供する。

・これは、自分の最大の役割かな、と思います。英語での防災の講義は、いろいろな先生が交替で教えるオムニバス講義のものが多いのです。そうではなくて、15回の講義トータルで、防災の基本理論、日本の防災体制、実務面での知識・教訓、演習をバランスよく実施していく予定です。

 

2.防災学の確立と、国内防災・国際防災の統合を進める。

・1.で英語の講義について書きましたが、日本語での講義でも多くの大学では、防災以外の専門家が数コマずつ担当している場合が多いのが実態です。もちろん関西大学や神戸学院大学、千葉科学大学、兵庫県立大学、静岡大学など、防災に力を入れている大学もありますが、そもそも私を含めて、防災を教えている先生方は、きちんと防災を学んだことがある訳ではありません。大学教育用の教科書もありません。このような状態を少しでも改善することで、防災学の知名度を上げ、防災を学んだ学生が社会できちんと評価されるようにしていきたいと思います。

 

3.社会に役立つ実践的な防災・復興の研究を進め、日本語・英語で発信する。

・東日本大震災が発生し、いつ南海トラフ地震や首都直下地震などが発生してもおかしくない状況です。このような事態に対して、「災害現象」の研究者に比べ、「防災」の研究者の数は、あまりにも少ないのです。つまり、「なぜ地震が起こるのか」は解明できても、「それを防いだり、うまく対応する」ノウハウが研究出来ていません。そこで、社会に求められる実践的な防災研究を進めて参ります。
・もう一つ、自分が教える側になって分かるのですが、日本の防災について英語で書かれた資料は、非常に限定的です。これも何とかしないといけないと思っています。
 

 

以上のことを実現するために、学生さんよりも、私自身が、猛烈に勉強しないといけないことを実感しています。3年間という貴重な期間と素晴らしい環境を神戸大学からいただいていますので、任期終了時には、十分な恩返しが出来るよう頑張りたいと思います。